ソフトバンク以外で面白そうなのがロッテとオリックスだ。ロッテは佐々木の獲得で投手陣は更なる世代交代が進む可能性が高い。あとは野手がどうなるか。投手陣の充実に合わせて安田と藤原恭大が主力となれるのが理想的なプランだろう。オリックスは阪急時代から社会人出身の選手がチームの中心となっていたが、二軍の顔ぶれに挙げた7人は全員が高校卒である。また昨年のドラフトでは育成選手を多く指名するなど、明らかに方針転換していることがよく分かる。今年、来年すぐ結果は出ないかもしれないが、数年後が楽しみなチームになりつつあるだろう。
一方、不安要素が多いのが西武、楽天、日本ハムだ。西武は今年25歳となる森友哉より若い選手となると有力なレギュラー候補が圧倒的に少ない。目先の課題は投手陣の整備だが、近い将来野手が手薄になる可能性はかなり高いだろう。楽天は藤平以外の柱となりそうな投手が不足している。野手も昨年オフに鈴木大地、ロメロなどを補強したことで若手の抜擢が遅れることに繋がりそうだ。
日本ハムは投手の層の薄さが明らか。期待の吉田輝星はいるものの、二軍まで見てもブレイクしそうな選手が見当たらない。野手は清宮幸太郎、清水優心、平沼翔太が一軍である程度戦力になったのはプラスだが、まだまだ将来が見えてこないポジションは多い。2023年に予定されている新球場の開場に向けて、チームをどう作り替えていけるかに注目したい。(文・西尾典文)
●西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。