「言葉は人を追い込みます。本当に。その人らは何気なく言ってるのかもしれんけど、心を切り刻まれるというかね。これは僕の考え方やけど、ああいう書き込みはいろいろなことを駆使して、実態よりもたくさんいるように見せつつ書いてるものが多いと思っています。でも、でも、街を歩いてたら『ひょっとしたら、今回はみんなが思ってるんじゃないか』となってくる時があるんです。不安と恐怖心が判断力を鈍らせるというか。あと、こっちもいつも元気なわけやないから。実生活でへこんでいる時は余計に深いところまで刺さります」
普段は「関係あるかい!」と跳ね返せていたものが、心の強度が万全でないと、奥まで突き刺さる。それがまた疲弊につながり、次の矢がさらに深く刺さる。そんなつらい循環も経験し、今月初めごろからSNSに対するスタンスを変えたという。
「『死ね』とか言ってくる人間を相手する時間があるんやったら、応援してくれてる人にしっかりとコメントを返そうと思うようになったんです。割合でいったら、応援のほうが圧倒的に多い。いつも攻撃的なコメントにばっかり目がいって相手をしてたけど、前向きな書き込みにコメントを返したほうが、こんなプラスなことはないなと。そうすると、SNSの“空気”も良くなっていくもんなんやなと体感しています」
これまで自らの人格を否定するような書き込みに対してやりあってきたのには、本人いわく「理由があった」という。
「ひどいことを言ってくる人の中で、打率にしたら0割0分3厘くらいですけど『そういうことやったんですか……すみません、勘違いしてました』という人もいたんです。考え直してくれるかもしれない。そこを求めていた部分があったんですけど、しんどいほうがどんどん増えてきた。だから、これはいろいろ悔しい思いもあるけど、もう、期待するのはやめようと。自分の考え方からしたら残念なところもあるけど、今の世の中でSNSを続けるには、自分の心持ちを変えていかなアカンところもあるんかなと……」