「決まった時間に受けるオンライン授業は数科目で、それ以外は各教科の教員が作成した映像やスライドをダウンロードして、自分のペースで学習しています。生徒たちは自分で計画を立てて勉強できるからです。アンケート回答、課題提出で出席確認を行っています」(和田孫博校長)

 このほか、Googleクラスルームでの質問回答や連絡、Zoomを使ったホームルーム、電話やテレビ電話での面談などを行っている。

「医学部の地域枠、筑波大や慶應義塾大のAO入試を受ける生徒はいますが、ほとんどの生徒は一般選抜で受験します。新テスト導入に加え、コロナ禍もありますが、志望変更する生徒は少なそうです。新テストは予定通り実施と想定して学習を進めています。入試日程などを早く決めてほしいですね。決まるとそれに向けて生徒たちも頑張れると思います」(同)

 東大合格者数が公立トップの日比谷(東京)も、生徒の家庭のネット環境を整備したうえで、5月7日から双方向のオンライン授業を開始。当初はZoomを用いた30分授業だったが、6月2日からは40分に拡大し、全教科科目で映像授業を実施する予定だ。

「双方向ですから、グループディスカッションも行っています。質問は学習支援クラウドの質問箱を利用し、同じ内容の質問が多ければ、授業時間に説明しています」(武内彰校長)

 日比谷も、医学部医学科の志望者以外はほぼ全員が一般選抜を受験する。

「東大推薦入試や京大特色入試でアピールできる海外派遣研修は高2で実施。SSH(スーパーサイエンスハイスクール)の研究活動も主に高2でやるため、高3生はあまり困りませんが、高2生が心配です。学校での授業再開は、教育委員会からの許可が出てからになります。それまではオンライン授業で、慌てることなく地道に勉強します」(同)

 東大推薦入試にほぼ毎年合格者を出す桐蔭学園中教(神奈川)、早慶上智、MARCHに多数の合格者を出す桐蔭学園(同)では、4月9日から5月2日までオンラインで学習指導・支援。5月7日から時間割通りに双方向のオンライン授業を開始した。6月29日までオンライン授業を継続しながら、分散登校になる予定だ。

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