

恋愛リアリティー番組「テラスハウス」に出演していた女子プロレスラーの木村花さん(享年22)が亡くなったことで、大きな議論を呼んだSNSでの誹謗中傷問題。昨年11月には日本でも活動した韓国の女性アイドルグループ「KARA」元メンバーのク・ハラさん(享年28)が自ら命を絶った。彼女も生前、ネット上での悪意ある書き込みに悩まされていたという。
情報化社会の弊害は、誹謗中傷にとどまらない。最近では新型コロナウイルスに関するデマ情報の拡散や、「情報過多」による精神への悪影響なども指摘されている。このような社会を、私たちはどう生きればよいのか。
“ネット被害”の経験者でもあるという、前衆議院議員で「ネット被害を考える協議会」会長の前川恵さん(44)に、自身の経験や協議会を立ち上げた思いを聞いた。
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――「ネット被害を考える協議会」の活動内容を教えてください。
ネット被害に苦しむ人々への心のケアや、解決策に取り組むため、2017年に被害者やその家族、弁護士やITエンジニアなどに呼びかけて協議会を設立しました。月に数回、専門家を交えて話し合い、インターネット上での名誉毀損やプライバシー侵害、いじめなどへの対策について分析、検討しています。被害にあわれた方からの相談や依頼に対し、実際に悪質な書き込みをしている人に投稿の削除をするよう連絡もしています。また、諸外国と連携し、誰もが安心できるネット社会を目指して活動しています。
――協議会を立ち上げたきっかけはなんだったのでしょうか?
私自身、以前にネット上で間違った情報を流され炎上しました。そのうえ、ツイッター上に「なりすまし」まで複数現れ、被害が更に悪化するという経験をしました。それからネット被害について調べるようになり、当時同じように被害を受けている人が多数いることを知りました。また被害を受けた人からの悲痛なメッセージが私に寄せられたことからも、ネット被害が深刻な社会問題であることを痛感し、協議会の立ち上げを決意しました。この協議会は、被害がなくなり、人々が安心してインターネットが使えるようになった時、解散することを目標としています。