バスについてはJR東海バスでは、感染対策として「お客様が触れる場所の消毒」「自動外気循環で外気と内気を入れ替える。その機能がない車両の場合は、乗務員が定期的に車外換気を行う」としている。業界大手のWILLER EXPRESSでは「乗降口に手指消毒スプレーの設置」「使い捨て手袋を着用した乗務員による、運行ごとの除菌清掃」「エアコンによる車内換気」を感染対策として上げている。

 また東京空港交通やフットバスは対策として「プラズマクラスターによる空気清浄器」搭載も上げている。シャープは2004年の実験で、プラズマクラスターがネココロナウイルスなどを不活性化するという検証を出しているが、車内は試験用の環境と異なり、気密性が低いなどの要因もあるため「確実に効果がある」とまでは断定できないのが現状である。

 特に所要時間の長い夜行バスを利用せざるを得ない場合は、他の乗客と隣り合わせにならない1+1+1列座席や、個室を備えた1+1列バスの利用を検討したほうがいい。
 
 次に鉄道について。JRグループ7社や日本民営鉄道協会などが参画した鉄道連絡会から策定された「鉄軌道事業における新型コロナウイルス感染症対策に関するガイドライン」によると、利用者同士の「3密」を避ける対策として換気の励行、混雑の緩和、マスク着用の呼びかけ、指定席販売時の座席位置の配慮、駅構内の構造・利用状況等に応じた対策などを講じるよう記されている。

 このうち換気については、JR東日本では「ドアの開け閉めや走行に伴い外気が導入される。空調装置により外気温や社内の温度、乗車率に応じた換気を行っている」としている。福岡市営地下鉄では「本来は空調と車内換気装置を併用すると、空調効果が低下するので行わないが、現在では使用している。福岡市営地下鉄では乗車時間全体に対する、開扉(換気)時間の割合は40~60%程度」とのことである。

 国土交通省では「新幹線や特急車両などに、換気装置により換気が行われている」「通勤型車両については、空調装置、駅でのドア解放、窓開けによる換気が行われている」とした上で、公益財団法人鉄道総合技術研究所による研究概要を示している。

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