オンライン化は、大学の学びを江戸時代の個人教育へと変え、「一斉の学び」から「個々の学び」へ変化させていくと考えています。

 就職も大きく変わりそうです。これまで企業では新卒一括採用をして、社内で中長期的に教育していく形を取っていました。教育制度としても効率が良かったわけです。しかし、新型コロナの影響もあり、一括採用が難しくなっています。

 そうなると、学生個人の力がより問われるようになります。ここでも個々の教育へのシフトが要請されるということです。大学の役割は、皆に同じ能力をつけて従順な学生を育てることから、個々の特性を伸ばすことへ変化しなければなりません。

 入試については、推薦入試の枠を増やすように、各学部に要請しています。来年の入試で新型コロナの感染が拡大すれば、思うように学生を確保できないかもしれませんからね。

 2月の入試は、日程は例年どおり実施し、入試ができない場合に備えて3月に予備日をつくっています。今まで以上に会場を確保し、全員を検温するなど万全な体制を整える予定です。(本誌・吉崎洋夫)

週刊朝日  2020年7月24日号

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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