東尾修
東尾修
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右の強打者の一人、ヤクルトの山田哲人 (c)朝日新聞社
右の強打者の一人、ヤクルトの山田哲人 (c)朝日新聞社

 西武ライオンズの元エースで監督経験もある東尾修氏は、セ・パ両リーグで右の強打者が増えたことに着目する。

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 東京都を中心に新型コロナウイルスの第2波の影がちらついている。プロ野球も観客を入れて試合を開催する段階となったが、その観客動員を増やす時期などは慎重に見極めるべきであろう。観客を増やすことによって実際に球場に足を運んでくれた方々が不安に感じるような状況だけは作ってはいけない。

 メジャーリーグも7月23日(日本時間24日)に開幕することが決まった。今季は60試合制だという。先発投手は10から12試合の登板になるだろう。通常のシーズンであれば、ちょうどその試合数のころに疲れが出始めるころといったところか。少ない試合数の中で、飛ばしていかなきゃいけないけど、その先にプレーオフも待っている。調子の波をコントロールすることもカギとなる。

 レイズの筒香嘉智、レッズの秋山翔吾は、メジャー1年目で本来なら戦いながらアジャストしていきたいところだが、そうもいかない。1カ月、2カ月と戦いながら、メジャー投手に慣れていくという期間はない。うまく軌道に乗ってくれることを祈る。

 日本のプロ野球は開幕から1カ月近くが経過した。全体を見渡して思うことは、右の強打者が一時期よりも本当に増えたなということだ。セ・リーグでは巨人岡本和真、広島の鈴木誠也、ヤクルトの山田哲人、パ・リーグでは西武の山川穂高楽天の浅村栄斗といったところか。やっぱり右打者が4番に入ることで、さまざまな戦略をとりやすくなる。

 巨人が開幕から日々オーダーを変えながら戦っているけど、それができるのも岡本という4番が不動だからである。そこに坂本勇人丸佳浩という主力がいるわけで、不確定要素の多い助っ人をわざわざクリーンアップに固定し、心中する必要もない。そして起用法も柔軟になるよね。異例の形で開幕したシーズン。このコラムでもコンディションの良い若手の積極起用が求められると指摘したが、中核を任せる必要がなければ、なおさらドラスティックな起用ができるというものだ。

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