「ウィズ・コロナ」の新様式が求められているプロ野球。球場観戦が8月末まで最大5000人に制限された中、テレビ放送・ネット配信を利用して試合を観戦するファンは、昨年よりも大幅に増えただろう。そこで重要になるのが『解説者』である。人気どころでは、江川卓や桑田真澄、古田敦也、あるいは落合博満に川藤幸三、福本豊などの重鎮の名前が挙がるが、近年は40歳代半ばの若い世代の解説者も増えてきた。
現在、最も勢いのある若手解説者と言えば、里崎智也だろう。徳島県出身、1976年5月20日生まれの44歳。ロッテ一筋16年の現役生活の中で“史上最大の下克上”や第1回WBC優勝などに貢献した名捕手。その実績に反する“親しみやすさ”に確かな分析力と圧倒的なトーク力を携え、言葉の引き出しの多さ、ユーモアを交えた豊かな表現方法で、辛口でありながら不快感のない分かりやすい解説を展開してくれる。開設2年目に突入した自身のYouTubeチャンネルも人気で現在チャンネル登録者数は33万人(7月24日現在)を超えている。これはロッテ球団公式チャンネルの登録者数の3倍以上を誇る。このことからも、里崎が発信する野球の情報を求めているファンの多さが分かる。
言葉の多さでは、赤星憲広も負けていない。愛知県出身、1976年4月10日生まれの44歳。阪神のスピードスターとして5年連続盗塁王、ゴールデングラブ賞6回の実績を持ち、2度のリーグ優勝(2003年、2005年)にも大きく貢献。怪我を理由に33歳の若さで現役から退いており、解説者歴は長く、テレビ番組での露出も多い。そのトークは滑らかで、早口でありながらも聞き取りやすく、自らの野球理論に対するこだわりの強さで時に話が長くなることもあるが、それを一般人にも分かりやすく説明できる力を持っている。発売中のKONAMIの人気ゲーム『プロ野球スピリッツ2019』では、これまでの小宮山悟、仁志敏久に加えて新たなゲーム中解説者として里崎と赤星が加入。これも一つ、解説者の実力を認められた証だろう。