ヤクルトのドラフト1位の奥川恭伸、ロッテのドラフト1位の佐々木朗希などは、今季中のどこかで1軍デビューするのかもしれないが、どういう形で首脳陣は取り組ませているのだろうか。「スケール感」は大事にしてもらいたい。
打者はバットという道具も進化する。だが、投手は自らの体で投げるしかない。巨人の菅野智之といった球界トップの投手が、なぜフォーム改造に取り組んだのか。あれだけ実績ある投手が現状に満足していない。その姿勢を見て若い投手は何を感じるのだろうか。
新型コロナウイルスの影響で、開幕当初は先発投手に無理はさせられないと以前このコラムでも書いた。すでに開幕から1カ月が経過した。もう制限はいらない。開幕から登板試合で100球以上を投げ続けているのは、菅野と、パ・リーグでは涌井秀章くらいだ。
自分に制限をかけてしまうと、その範囲内でしか動けなくなる。打者はどんどん若くて生きの良い選手がチームの主力を張っているのに対し、投手はどうだろう。すぐに名前が挙がるのはオリックスの山本由伸くらいだ。
東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝
※週刊朝日 2020年8月7日号