林:ああ、ジュリーが。

芳村:私はそう思う。ジュリーはなんにもせずに、自然体でああなのよ。

林:ストイックであの体形を保っているひろみさんもカッコいいですけど、自然のまま素敵というジュリーもいいですよね。ザ・スターという感じで。(松田)聖子ちゃんはどうだったんですか。

芳村:聖子ちゃんは、カリスマ性というよりも、いわゆる可愛らしいアイドルとしてみんなが見てた。

林:そこでカリスマからアイドルの時代になっていくわけですね。でも何かで読んだら、光GENJIが初めて出たとき、「ちわっ」って軽くあいさつされただけだったので、「ああ、時代が変わった。もう私の居場所はない」と思ったそうですね。

芳村:そう。それぞれがみんな成長して大人になって脱皮していくわけですよ。

林:母親の心境ですか。

芳村:母親かおばあちゃんか、親戚のおばさんって感じ(笑)。みんなが気になって気になって、「この子たち、いい人生を歩んでいってほしいな」って思う。

芳村真理(よしむら・まり)1935年、東京都生まれ。モデルとして活躍後、大島渚監督に抜擢され「霧ある情事」で女優デビュー。その後「血は渇いてる」「斑女」「酔っぱらい天国」など八十数本の映画に出演。フジテレビのワイドショー「小川宏ショー」出演を機に、「夜のヒットスタジオ」「ラブラブショー」「3時のあなた」「料理天国」など、個性ある番組で司会を務める。夫・大伴昭氏(享年89)を一昨年亡くしたばかり。現在、「MORI MORIネットワーク」副代表を務める

>>【後編/「飛び抜けた大物よ」と芳村真理 国民的大女優“李香蘭”との意外な接点】へ続く

(構成/本誌・松岡かすみ、編集協力/一木俊雄)

週刊朝日  2020年8月7日号より抜粋

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