林:まあ、可愛い。
芳村:そしてカメリハになると衣装に着替えてくるでしょ。そうすると百恵さんはガラッと大人っぽくなるの。私たちの目がみんなそこに行くのよ。あのころからぜんぜん違うんだもん、ほかの子と。
林:21歳で引退したんですよね。
芳村:百恵ちゃんが引退するとき、あれが最後の番組(80年10月6日放送)だったんだけど、百恵ちゃんが最後の歌(「さよならの向う側」)を歌うと、そのとき出ていた歌手がみんなうしろに立って、男性の歌手もみんな目に涙を浮かべてたの。(同席者が当時のユーチューブを見せる)そう、これこれ!
林:うわあ、百恵ちゃん、きれい……。あ、秀樹がいる。五木ひろしさん若い。ジュディ・オングさん、きれい。これ誰? あ、アン・ルイス。「六本木心中」!
芳村:アハハハ、マリコさんほんとによく知ってるのね。このあと百恵ちゃんは、みんなに見送られてスタジオのドアから出ていって消えちゃって、それっきり。あのシーンは忘れられない。
林:プライベートで会うこともないですか。
芳村:ないない。彼女は誰とも会ってない。
林:その百恵さんも、息子さんがもう結婚する年になって、ジュリーも年をとって、ジュリーは今や(ケンタッキーフライドチキンの)サンダースおじさんみたいになっちゃって。
芳村:アハハハ。
林:でも、3年ぐらい前、人の結婚式でジュリーと同じテーブルになったら、やっぱりカッコいいんです。白髪になっても、ヒゲが白くなっても素敵でした。
芳村:やっぱり。ジュリーのオーラは独特なのよ。最初から違ってた。
林:郷ひろみさんは、今も信じられないぐらい若々しいですけど。
芳村:彼はあのころから自分に厳しい人だった。アメリカに行ったりして、帰ってくると髪の毛を染めてたり、すごいステップの踊りを覚えてきたり、そういうことをいつもやってたの。日本で一番になりたかったのね。ところが、アメリカに行こうが金髪にしようが、どうしてもトップに出られなかったの。なんでかと言ったら、ジュリーがいたから。