西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱する帯津良一(おびつ・りょういち)氏。老化に身を任せながら、よりよく老いる「ナイス・エイジング」を説く。今回のテーマは「東洋医学について」。
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【生命場】ポイント
(1)西洋医学に対し東洋医学はより本質的な医学
(2)ただ東洋医学は客観性と再現性に難がある
(3)将来、東洋医学は本来の医学として花開く
西洋医学と東洋医学は同じ医学でありながら、大きく違っています。
西洋医学は、まずは“体”に目を向けます。ですから医学部の学生にとって解剖実習はとても大事なのです。臓器を切り分けて、それぞれの部分の役割を明らかにすることで、西洋医学は始まります。そのため、解剖しても見つからないものに対しては、関心を示しません。
一方で、東洋医学にとって欠かせない概念である“気”はいくら解剖しても見つかりません。経絡や経穴といったものも、血管や神経のように目に見えるものではないのです。
私は人間をまるごととらえようとしたときに、必要なのが「生命場」という考え方だと思っています。生命に直結するエネルギーのようなものが、体内に分布していて、電磁場や重力場と同様に生命場を形成しているという見方です。体内の臓器や様々な部分が生命としての秩序を保てるのは、この生命場のおかげです。
そして、このエネルギーのようなものを、東洋医学では気という概念で説明します。西洋医学が体だけを対象にしているのに対し、東洋医学は生命そのものに迫ろうとしているのです。つまり、東洋医学の方がより本質的な医学だと言えます。将来は東洋医学が西洋医学を超えて、医学の主流になるはずです。
ただ、いまだにこのエネルギーのようなもの(気)が何なのか、解明されていません。科学的な方法によって、客観性と再現性をもって説明することができないのです。これが東洋医学の弱点です。