2017年に頸椎人工椎間板置換術が承認された。まだ全国でおよそ50カ所の病院でしか実施されていない。その適正使用基準を満たし、安全な手術を指導できる施設として、多くの手術実績がある新井医師はこう話す。
「頸椎人工椎間板置換術が日本でも実施できるようになり、治療の選択肢が増えました。これは、頸椎手術の際に自家骨や人工のケージを介して椎体間を固定する代わりに、人工の椎間板を挿入して、椎体間の可動性を温存する手術法です」
この手術は、もともと椎体のすべりがある場合には不向きだという。また術者の技術が未熟だと、術後のインプラント脱転や破損、神経・血管損傷など合併症の発生率や再手術の可能性が高くなる。
「慎重かつ適切に手術をすすめてくれる、経験豊富な病院で受けるとよいでしょう」(新井医師)
再発を予防するためには、椎間板に過度の負担をかけないように、正しい姿勢を保つよう心がけることが大切だ。
頸椎椎間板ヘルニアをはじめとする首や腰の手術などについて、週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2020』では、全国の病院に対して独自に調査をおこない、手術数の多い病院をランキングにして掲載している。ランキングの一部は特設サイトで無料公開している。「手術数でわかるいい病院」https://dot.asahi.com/goodhospital/
(ライター・坂井由美)
<取材した医師>
東京歯科大学市川総合病院 脊椎・脊髄病センター長 青山龍馬医師
済生会川口総合病院 副院長・整形外科主任部長 新井嘉容医師
※週刊朝日 2020年8月28日号