2020年最もブレークした若手俳優の1人、伊藤健太郎さんがAERAに登場。俳優業について、「初めてうまくいかなかった。だから、悔しくて続けてきたのかもしれません」と語った。AERA 2020年8月31日号から。
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2020年に最もブレークした若手俳優の一人になるのは間違いない。映画だけでも、今年公開の出演作は6本にも上る(予定含む)。てっきり順風満帆な道を歩んできたとばかり思っていたが、伊藤健太郎は「チクショー!」を力に変えてきた人だった。
モデルから俳優を目指すようになったのは、蜷川幸雄演出の「海辺のカフカ」(12年)のオーディションに落ちたことがきっかけだ。
「事務所の指示で受けに行った僕は芝居をするどころか覚えた台詞をただ言っただけ。でも、同世代の子たちが台詞に芝居を乗せて演じているのを見たら、芝居が好きだったわけでもないのに、めちゃくちゃ悔しかったんです」
だが、何から始めていいかわからない。そこで、「オーディションを受けては落ちまくった」。受かっても出番がまるまるカットされ、「チクショー!」と怒りに燃えたこともある。ドラマ「昼顔」で「初めてきちんと出演を果たした」が、悔しい思いは続いた。小栗旬主演の映画「ミュージアム」では、監督の大友啓史から、「お前、それでいいのか! 佐藤健を超えるんだろ!」と言われた。
「そんなこと思ったことも一言も言ったこともないのに。『チクショー! 見返してやる』と思いました。僕は悔しい思いをガソリンに変え、爆発させるのが得意かもしれません」
悔しさをバネに進んできた。野心を尋ねると、
「『天下取ってやる!』みたいな、ですか? 実は小さい頃からなんでも一番になりたいと思っているんです。先日出演したテレビ番組でも言われたんですが、僕は自他共に認めるナンバーワンになりたい人らしいです。天下を取るというのも、まんざらでもないのかな(笑)」
(フリーランス記者・坂口さゆり)
※AERA 2020年8月31日号