皇嗣妃となって2年目を迎えた秋篠宮妃紀子さま。9月11日、誕生日にあたり記者会の質問に答えた文書では、昨年に比べて文字数が倍増。ご自身の具体的な思いも語っており、率直な思いを伝えようという姿勢がうかがえる。紀子さまの変化に迫った。AERA 2020年10月5日号から。
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そもそも「妃」というのは、夫あっての立場だ。一歩下がって、自分の意見は控えるというスタイルも十分に選択可能だ。それでなくても近頃の紀子さまは、一部メディアからヒール役を担わされている。余計なことは言わず、聞かれたことに最小限答えるという戦略が得策かもしれない。だが、紀子さまはそうはしなかった。
大学で秋篠宮さまと出会い、そのまま結婚した紀子さまは、外務省勤務だった皇后雅子さまとの対比から「従う」人のように思われがちだ。だが紀子さまは意志の強い、働く女性なのだ。
■率直に語りかけていく
結核予防会と恩賜財団母子愛育会の総裁を務めているが、どちらも名ばかりの役職ではない。結核予防については2018年、国際結核肺疾患予防連合から「名誉会員」の称号が贈られている。長年の予防活動への貢献が認められてのことで、王族や皇族では初めてだという。
紀子さまは5月末に結核予防会、6月末に母子愛育会にメッセージを送っている。宮内庁ホームページからも閲覧できるが、コロナ禍で働く人々への感謝と励ましの言葉だ。秋篠宮さまも総裁を務める恩賜財団済生会に、同様のメッセージを送っている。秋篠宮さまは「天皇家の次男」という立場を十分に自覚し、平成の時代からいつも率直な発言をしてきた。紀子さまも皇嗣妃という立場を得て、秋篠宮さま同様、率直な発言をしようと決心されたのではないだろうか。
眞子さまの結婚問題についての回答にも、それが表れたと思う。昨年は「長女の気持ちを推測するなどして現状や今後についてお伝えすることは、控えたいと思います」だったが、今年はずっと具体的に、「共感したり意見が違ったりすることもありますが、お互いに必要だと思うことを伝え合いつつ、長女の気持ちをできる限り尊重したいと思っております」という回答で、「結婚を認める方向」ととらえる報道もあった。