「僕の性格上、彼女から『別れたくない』と言われたらきっと断れないので、こちらから別れるだろうなっていう空気を先に作りました」
女性との交際を面倒だと感じるようになったのは、客の男女をマッチングする「相席居酒屋」でのアルバイト経験も関係しているようだ。
「8か月間ほど働いていましたが、女性がガツガツとご飯を食べる姿を見たり、女性同士がゲスな会話を聞いたりすることは日常茶飯事。仕事そのものは楽しかったですが、この経験がきっかけで、より一層、女性にお金と時間を使うのが惜しくなりました」
とはいえ、年頃の大学生。女性に興味がないわけではない。そこで石沢さんは、マッチングアプリを3つ利用して、暇な時や女性に会いたいと思った時に会える環境をつくることにした。いわば彼女の“代替機能”としてマッチングアプリで女性を見つけることにしたのだという。
石沢さんによると、マッチングアプリで知り合った女性とは「その日だけ」と決めているそうだ。目的は、食事をしたり身体の関係を持ったりとさまざま。メッセージのやりとりは面倒なので、最初から続けるつもりはない。デート費用は割り勘または少し多めに出すことが多く、全額おごることはほとんどない。中年おじさんとは違い、そこは慶応生ゆえ、女性もかなり好意的なようだ。
とはいえ、マッチングアプリで女性とやりとりするにはそれなりの費用がかかる。頻繁に利用するとなると、月5万円のバイト代では心もとない気もするのだが……。
「マッチングアプリって提携しているサイトに登録すると20日間無料で利用できるようになるんです。これを繰り返しています」
石沢さんの友人たちも、この裏ワザを使ってマッチングアプリを利用しているそうだ。無料で利用できて、しかも出会える。効率性を重視する石沢さんやその友人たちにとっては“その日限りの彼女”をつくるには最適なツールなのだ。
だが、マッチングアプリが若い男性にも利用され始めるようになると、“ライバル”も多くなってきた。若い会員が多くなりすぎて、出会える確率が下がってきたという。