「ケアママ!」の蔵野たからと一人息子の勝利、早乙女千陽
「ケアママ!」の蔵野たからと一人息子の勝利、早乙女千陽
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内館牧子さん(左)、くさか里樹さん
内館牧子さん(左)、くさか里樹さん
対談は東京と高知を結ぶリモートで実施=撮影・高橋奈緒(写真部)
対談は東京と高知を結ぶリモートで実施=撮影・高橋奈緒(写真部)

 終活をテーマにした内館牧子さんのベストセラー『すぐ死ぬんだから』が今夏、本誌連載「新生ヘルプマン ケアママ!」の作者・くさか里樹さんの手でコミック化されました。お二人が介護の“クリエーティブ”を語り合います。

【写真】内館牧子さんとくさか里樹さん

*  *  *

内館:「新生ヘルプマン ケアママ!」は毎週楽しみに読んでいるんですけれど、“キャラ立ち”がすごいですね。顔に刺青(いれずみ)のあるプロレスラーのヘルパー(早乙女千陽)がいきなり出てきてびっくりしちゃって。こういう話でまずプロレスラーって出てきませんよね。

くさか:アハハ、ありがとうございます。プロレスラーは実際に老人ホームに慰問に行くことが多いんですね。そうするとおばあちゃんたち、筋肉を触りにきたりして、すごくテンションがあがるらしいんです。

内館:そりゃあ、ああいう人間ばなれした体を見たら、興奮しますよね。

くさか:気は優しくて力持ちのタイプが多いから、実はヘルパーに向いているんじゃないかなって。私もおばあちゃんだったら、プロレスラーに介護してもらいたいなって。

内館:私は力士がいいなァ(笑)。登場人物の中で私、松原亀子が好きなの。正直者でカッコつけたりせずに感情を全部出すでしょ。そういうことをやると、生きにくくなるからできない。

くさか:カッコつけようとしているのに頭隠して尻隠さずという感じで。そのあたりが意外と可愛くて、描いていて楽しいキャラクターですね。

内館:事前にずいぶん取材はなさったんでしょ?

くさか:完全に漫画として描いているので、取材はほぼゼロなんです。

内館:ホント!?

くさか:前作の「ヘルプマン!!」は、実際の社会問題を切り取っていくという側面がありましたから、現場の熱も知りたかったですし、法律のことも間違ってはいけませんし、たくさんの人に会ってお話を聞きました。お会いした方々はやっぱりみんなすばらしくて、カッコよくて、それを伝えたいという思いで描いていました。今回は、純粋にフィクションとして楽しんで描いています。

内館:介護の現場は面白い、楽しいんだっていうことが、もっと世間に伝わるといいですよね。

くさか:そこにクリエーティブな遊び心がなければ、面白い、楽しいとはならないと思うんですよ。介護ほどクリエーティブで面白い世界ってないんじゃないかなって思ったりもするんです。

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