専従指導員は現在10人。全員が警察OBで、交通事故の現場を熟知している。実車教習後は、ドライブレコーダーで撮影した映像を受講者に見せながら指導する。
「ちゃんと運転しているつもりでも、長年の癖が染み付いて、できていない人がよく見られます」(講習指導員)
同校の指導員によると、高齢ドライバーによく見られる運転の癖として、
「パワーステアリング未装備車の名残で、ハンドルを逆手に持って回す内掛けハンドル操作を行う」
「カーブの時に中央線に寄りがち」
「一時停止線で止まれず、線を超えてしまう」
「車庫入れなどでミラーとバックモニターに頼り、後ろを目視しない」
などがあるという。
こうした我流の運転が事故につながりやすいため、映像という“動かぬ証拠”を見せながら指導し、本人に自覚を促す。
「車がなければ生活できない人も多く、免許返納で済む問題でもありません。身体能力の衰えや認知機能には個人差があります。少しでも長く安全に運転していただくためにも、その人に合わせた、プロによるきめ細かな運転指導は欠かせません」(城谷さん)
(ライター・吉川明子)
※週刊朝日 2020年10月30日号より抜粋