たった一人で謝罪会見にのぞんだ園田監督 (c)朝日新聞社 @@写禁
たった一人で謝罪会見にのぞんだ園田監督 (c)朝日新聞社 @@写禁
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 1月31日、柔道女子日本代表の園田隆二監督(39)が、練習時に暴力やパワーハラスメントをしていたとして女子選手15人から告発された問題で、辞任会見を開いた。

 園田監督に指導を受けた経験のある柔道女子48キロ級金メダリスト・谷亮子参院議員(37)は、困惑の表情を隠さない。「私自身は体罰を受けたことはありません。選手に対して真摯(しんし)に向き合う方だったのですが……」。

 だが、別のスポーツ紙記者は、こう証言する。「谷亮子だけは特別扱い。あれだけ強ければ当然です。ほかの選手にとっては体罰を受けることは当たり前でした。日本柔道界で体罰をしない人はほとんどいません」。

 園田監督の暴力はもちろん許されないが、体罰が当然の柔道界で、なぜ園田監督だけが告発されたのか。この背景には、全日本柔道連盟への不信感があるとノンフィクションライターの柳川悠二氏は言う。

「男女ともに惨敗だったロンドン五輪で、男子の篠原信一・前監督は外されたのに、園田監督はなぜか続投した。パワハラや暴力に加え、『また来季もか』という態勢への失望、全柔連への怒りがあると思います」

 そもそも全柔連は昨年9月に園田監督の暴力の情報を得ていたが、暴力を認めた園田監督に始末書を書かせるだけですませ、公表もしなかった。選手15人が日本オリンピック委員会(JOC)に訴えたのは12月だ。

週刊朝日 2013年2月15日号