巨人は今オフFAのヤクルト山田哲人獲得に動くのか… (c)朝日新聞社
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『勝利』と『育成』を両立させるのは至難の技だ。

【写真】「平成で最もカッコいいバッティングフォーム」はこの選手!

 リーグ連覇を果たした巨人は、現在進行形でその命題に取り組んでいる。

 OB篠塚和典が自らの経験を踏まえ、巨人の現状、そして『世代交代』について語ってくれた。

「生え抜き選手に対しての思い入れはあるよ」

 巨人一筋でプロ生活を終えた篠塚は、古巣の『生え抜き』に対しての愛情を包み隠さず話す。

「巨人はいつまで経っても自分の『家』だし『故郷』だから、どんな時でも気になる。勝てない時期が続けば、何をやっているんだと思うこともある。それは自分が現場から離れても変わらない。強くなるためにFAなどで移籍して来てくれた選手も巨人の一員であり、活躍してくれるのは嬉しい。でも人情というか、OBなら誰でも生え抜きに対して強い気持ちは持っている。最近はジャイアンツ球場で鍛えられた若い選手が1軍にも増えて来た。2軍取材で見る機会があった選手も多いので、結果を出せば嬉しい」

 75年ドラフト1位で千葉・銚子商から巨人に入団。高校時代に湿性肋膜炎を患い3カ月入院、プロは厳しいとも思われた。しかし同郷でもある当時の長嶋茂雄監督のラブコールを受ける形で名門の一員となった。

 天才的とも言われた野球センスに加え、練習による叩き上げでレギュラーに定着し、プロ18年間で首位打者2回、ベストナイン5回、二塁手としてゴールデングラブ賞4回を獲得。80-90年代の巨人を語る上で欠かせないスーパースターだった。

「自分の技術にはずっと自信があった。『50番トリオ』(駒田徳広、吉村禎章、槙原寛己)が出て来たあたりでは、世代交代も近いかという話も出て来た。でも首位打者も獲得した時期だったし、10年くらいは負けないと感じていた。我々が引退した後にしっかりした選手が育って行けば良いな、と少し上から見ていた感じかな。僕も自信満々で生意気だったと思うしね(笑)」

「年齢的な衰えはどうしようもない。しかし技術があれば長くプレーできる」

 飛び抜けた打撃技術に関しては絶大な自信があり、誰が来ても負ける気はしなかった。

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