実績に関して必要以上に多くを語る必要はありません。「少ないかもな」と思う程度にポイントを絞り、話の締めくくりを相手のメリットに着地させれば、「この人には、話に耳を傾けてみるだけの実績がある」という印象が残ります。

 こういった心の働きを味方につけるためにも、「コンテンツ」をしっかりと話す必要があります。その結果として聞き手に与えた好印象が、聞き手が話し手の話す内容を信頼する土台にもなるのです。

■「自分がどう思われたいか?」よりも大切なこと

 これはビジネスシーンにも当てはまります。共通点は、「自分がどう思われたいか?」よりも、「自分はどんなことで相手に貢献できるのか?」を常に優先して話すことです。 

「私たちはこれまで、およそ30社のIT導入のサポートを行ってきました。その30社のうち8割が作年対比で120%の売上げを達成しました。御社のIT導入でも、きっと私たちがお役に立てるはずです」
このように、相手のニーズを満たすような実績を正確に伝えます。

 聞き手のどんな役に立って、聞き手のどんなニーズを満たすことができるのかを常に最優先にして話すことで、自身を過大評価する意識は消え、確実に聞き手との信頼関係を築くことができるようになるのです。

 このような信頼関係を築くコツのほかにも、新著『「また会いたい』と思われる話し方』では、「聞き手の心を動かす3つのコツ」や「納得して行動してもらう5つのコツ」など、話し方に悩む方のモヤモヤを解消する具体的なノウハウを紹介しています。私自身が長年、悩みながら手探りで見つけた最適解と心理学の研究から学んだ知識をすべて注ぎ込みました。

「人とぶつからないで、円滑に物事を進めるためには、どんな話し方すればいいのかな……」と悩む、一人でも多くの方のお役に立てることを願っています。