今シーズン新天地で苦しんだバレンティン(写真提供・福岡ソフトバンクホークス)
今シーズン新天地で苦しんだバレンティン(写真提供・福岡ソフトバンクホークス)
この記事の写真をすべて見る

 コロナ禍の中で繰り広げられた2020年シーズンが終了した。今季も期待を上回る活躍を見せた選手が多くいた一方で、不振に喘ぎ、開幕前に描いていた青写真とは全く異なる苦しいシーズンを過ごした選手たちがいる。そして、実績のある選手、年俸の高い選手ほど、その風当たりは強い。そんな期待に応えられなかった“ワーストナイン”をセ・パ両リーグ別に選出したい。今回はパ・リーグ編。

【写真】イチローが「本当の天才」と言った男とは?

*  *  *

<投手>
■山岡泰輔(オリックス

 昨季13勝4敗で最高勝率のタイトルを獲得した男だが、今季はケガに苦しんだ。開幕戦は7回1失点でまとめたが、2戦目となった6月26日のロッテ戦では、わずか3球を投じたところで緊急降板。左脇腹を痛めて離脱すると、復帰まで約2カ月を要した。8月末に復帰した後も3戦連続で負け投手となり、ようやく今季初勝利を挙げたのは9月18日の西武戦。すでに西村徳文監督が辞任し、自力優勝が消滅した後だった。シーズン最終登板となった10月30日の日本ハム戦で今季初完投勝利を挙げたが、シーズン12試合で4勝5敗、防御率2.60は、エースとして期待されている右腕としては非常に物足りないものだった。

<捕手>
■清水優心(日本ハム)

 正捕手筆頭候補としての期待を受けながら、極度の打撃不振で打率1割台に低迷。宇佐見真吾との併用の中で、出場69試合、打率.193、3本塁打、16打点と冴えない成績に終わった。守備でも精彩を欠き、盗塁阻止率は太田光(楽天)の.333、甲斐拓也(ソフトバンク)の.328、さらに宇佐美の.290を大きく下回る.200。失点に繋がるミスを犯して途中交代し、ベンチで涙を流す姿もあった。来季以降はこの悔しさを晴らすことができるか。

<一塁手>
■清宮幸太郎(日本ハム)

 真価が問われる3年目だったが、出場96試合で打率.190、7本塁打、22打点と、プロ入り前に“怪物”と騒がれて「新たな球界のスター誕生」の期待を受けていた男の面影なし。同学年の村上宗隆ヤクルト)が打率.307、28本塁打、86打点でタイトル争いに加わり、安田尚憲(ロッテ)も新4番として存在感を見せただけに、改めて清宮の“伸び悩み”が目立った。世間から忘れ去られる前に、危機感を持ち、目に見える結果が欲しいところだ。

次のページ
ソフトバンクの名手は…