12月7日に行われた12球団合同トライアウト。引退を撤回し、14年ぶりの現役復帰を目指した新庄剛志(元阪神など)が大きな話題となったが、それ以外にも多くの選手がNPB球団との契約を目指して必死のプレーを見せた。その一方で契約を更改はしたものの、来年成績を残せなければ戦力外となる可能性が高い選手も少なくない。そんな2021年が正念場と言える“崖っぷち”に立たされている選手をピックアップしてみたいと思う。※文中の年俸は推定。
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セ・リーグ連覇を果たした巨人では過去にFAで加入した陽岱鋼、野上亮磨の名前が真っ先にあがる。陽は2017年から総額15億円と言われる大型の5年契約を結んで入団したものの、過去4年間で一度も規定打席にすら到達していない。今年は本職ではないファーストの守備にも挑戦したものの、レギュラー獲得後最低となるわずか15安打に終わった。チームは新戦力として梶谷隆幸(DeNA)を獲得することが決まり、その存在感はますます薄くなる一方である。
野上も2018年から3年総額4億5000万円という複数年契約で入団したものの、移籍1年目は4勝、昨年は1勝、そして今年は昨年オフに負ったアキレス腱断裂の影響でプロ入り初となる一軍登板なしでシーズンを終えた。二軍では既に実戦復帰を果たしているものの、18試合、47回を投げて0勝3敗、防御率4.98という寂しい数字となっている。陽は来年が契約最終年、野上は10日に来季の契約を結んではいるが、ともによほどのV字回復がなければ退団、もしくは引退という可能性が高そうだ。
今年藤川球児が引退し、福留孝介、能見篤史といった大ベテランも退団となった阪神では糸井嘉男が次の最有力候補として見られている。2017年から阪神と4年契約を結んだが度重なる故障で年々出場試合数は減少し、今年は12年ぶりに規定打席にも到達できなかった。年俸4億円からの大幅ダウンで残留することとなったが、来年で40歳という年齢を考えると大きな期待はかけづらい。同じ近畿大学の後輩で、ドラフト1位で入団した佐藤輝明に道を譲って引退というシナリオを考えている球団関係者も多いだろう。