2013年の入試戦線では、愛知学院大など中京地区の有名私大が、前年より志願者数を大幅に増やしている。その変化の理由を探った。
今年、愛知学院大は志願者の急増にわいた。昨年同時期の志願者数は8871人だったが、今年は1万2365人へと、一気に4割近くも増えたのだ。
起爆剤になったのは、キャンパスの新設だ。愛知県日進市のキャンパスなどに加え、14年4月から新たに、名古屋市北区の中心地に都市型の「名城公園キャンパス」を開校する。公務員住宅の跡地を取得した約2万平方メートルのキャンパスには、真新しい高層棟や講堂、図書館などが並ぶ。商学部・経営学部と新設の経済学部の、ビジネス系3学部の2年生以上の専門教育を行う予定だ。同大では期待を込めてこう話す。
「交通の便が良くなったことで、三重や岐阜など近県からの志願者が増えました。官公庁や企業などが多く集まる栄地区に近く、学生が実学を勉強しやすい立地を生かし、地元企業や商店街などとの産学連携などにも取り組んでいきたいと考えています」(同大入試センター)
近畿大も、志願者が昨年同時期より6797人増えている。最終的には、4年連続で10万人を超えそうだ。同大では、本部キャンパス内にある校舎の建て替えを順次進めており、増加を後押ししたとみている。
「新校舎には女子学生向けのパウダールームを設置したり、明るい雰囲気にリニューアルした食堂にファストフードショップを入れたり、女子学生を意識したキャンパスづくりを進めています。その結果、女子の志願者が増え、いまではおよそ3割が女子になりました」(同大入試センター)
※週刊朝日 2013年3月15日号