米国の新型コロナウイルスの状況、そして今季60試合に短縮した大リーグが来季、果たして、しっかりとシーズンを行えるのか。菅野も「この先どうなっていくのかわからないので不安もあります。これからもたくさん悩むと思うけれど、後悔のない選択をしたい」と話している。移籍1年目の選手は、どうしてもアジャストする期間が必要になる。60試合程度の短期決戦だと、戦力的に見切りが早くされてしまうため、修正するための期間が短くなる。さらに、大リーグの移籍市場の見通しも立っていない。
ただ、巨人のエースとして先頭で戦ってきた男なのだから、自分の夢は貫いてほしいと思う。31歳という年齢からしても、おそらく今年か、来年までのチャンスとなろう。能力がある選手でも、30歳代中盤にさしかかってしまうと、大型契約は結べない。来季どうなるかなんて、交渉期限の来年1月上旬にわかるわけもない。自分の気持ちに素直に向き合って決断してほしい。そのことを、ファンの方々が否定するはずはない。
東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝
※週刊朝日 2020年12月25日号