さらに優勝チームの守備を支えたDFジェジエウ(川崎)、高さと強さ、献身性でチームの2位フィニッシュに貢献して健在ぶりを見せたパトリック(G大阪)、左サイドからの崩しの役割を担いながら自らも9得点をマークしたマテウス(名古屋)、契約満了で今季限りの退団が決定したが、豊富な運動量と優れたボール奪取能力でロティーナ体制の中盤を支えたデサバト(C大阪)。さらに高レベルのパス、ドリブル、シュートで攻撃を牽引したレアンドロ(FC東京)などの助っ人陣は期待以上の働きを見せたと言えるだろう。

 その一方で、期待外れの助っ人もいた。1人目はGKネト・ヴォルピ( 清水)。昨季のコロンビアリーグのベストイレブンの実績を持ち、鋭い反応と高い足元の技術で昨季J1ワーストの69失点の改善が期待されたが、出場したのは中断前の2月の開幕戦1試合のみ。その試合で3失点したことよりも、チーム方針、監督の起用法に大きな要因があったことは確かで、実際、今季もリーグワーストの70失点と守備崩壊が続いた。チームの中で「ネト待望論」もあったが、結果的に出場1試合は「期待を裏切った」と言わざるを得ない。

 だが、彼はまだ“マシ”かもしれない。今季、1試合も出場しなかったのが、FWジョー(名古屋)だ。元ブラジル代表の実力者で、来日1年目の2018年に24得点を挙げて得点王に輝いたが、昨季は足首のケガにも悩まされて6得点のみ。そこからの復活が期待された今季だったが、2月の故障から治療のために帰国、再来日、そして新型コロナウイルス感染拡大の中で再び帰国し、公式戦出場がないまま6月に契約不履行で契約が解除に。その後、この契約解除問題を巡ってFIFAの「紛争解決室」に裁定を委ねるまで発展した(ジョーとコリンチャンスが名古屋に対して賠償金の支払いを命じられる)。チームは3位でシーズンを終えたが、得点数45はリーグ12位。ジョーが2018年のような働きを見せていれば、川崎との勝点差は縮まったはずだ。

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