中日・根尾昂の2年目が終了した。
【写真】「平成で最もカッコいいバッティングフォーム」はこの選手!
ドラフトで4球団が競合した逸材は、期待をされながらここまでプロでは通算2安打のみ。まだ、成長段階であり結果を求めるのは時期尚早だが、今シーズンはこれからの飛躍を感じさせるものだったのか……。
来季3年目を迎える若竜の可能性を、『背番号7』の大先輩宇野勝が語ってくれた。
「ラッキーホームランなんて存在しない。あの身体であそこまで飛ばせる長打力を証明した。本人もしっかり打てば飛ぶ、とわかったはず。バランス良く打てば良い。自分自身の能力に自信を持って欲しい」
11月13日、みやざきフェニックス・リーグのDeNA戦、左投手の肩口から入る甘めの球を叩いた打球はファウルにならず、場外へ消える特大弾となった。「ファウルにならなくてラッキー。評価はまだ先……」と辛口批評も聞こえたが、宇野はこの本塁打に対して賛辞を送った。
昨年は2軍で練習を重ねた。大きな注目を浴びての入団だっただけに、すぐに結果を求める声もある中で、本人は地道にレベルアップに取り組んだ。
打撃では柔軟性を感じさせる構えからの強いスイングも板につき始めた。春季キャンプ時にはレギュラー奪取の期待も高まったが、2年目も下での生活が多くを占めた。
「構えがいくつか変化した。春先は福留孝介のように動きがある中で柔軟に構えていた。そこから動きをなくし、さらに秋頃にはグリップの位置を高くした。多少迷いがあるのではないか。でも自分自身がしっくり来ないとダメだから、試すのは悪くない」
「目先にこだわらないことも重要。結果が出ないから、と変えていたら自分の形は見つからない。例えば1カ月ほどやってみる。結果が出ないこともある。でも自分の感覚に合うかどうかを見定めるにはちょうど良い期間」
宇野が重要視しているのはタイミングで、こだわりを持って『間合い』と呼ぶ。
投手と打者の18.44メートルの間での勝負において、自分の『間合い』に呼び込んでスイングする。現役時代には同僚だった天才・落合博満と徹底的に語り合ったこともある。『間合い』を見つけることが何より大事と言う。