夫婦で一緒に入居するかどうかは、さまざまな側面から判断を(写真はイメージです)
夫婦で一緒に入居するかどうかは、さまざまな側面から判断を(写真はイメージです)
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【ケース1】(A)は、夫婦で入居できる首都圏の標準的なサ高住に4年間、住んだ場合のシミュレーション。家賃・共益費に月額23万円、食費(3食)が9万9000円の計32万9000円の月額費用を想定。「介護保険自己負担」は身体介護サービスを中心に試算(以下同様)。(B)は、妻が単身でサ高住に入居し、夫は自宅に残って一人暮らしをする場合のシミュレーション。利用料は19万円台まで下がるが、別居する夫の生活費は別途必要になる。
【ケース1】(A)は、夫婦で入居できる首都圏の標準的なサ高住に4年間、住んだ場合のシミュレーション。家賃・共益費に月額23万円、食費(3食)が9万9000円の計32万9000円の月額費用を想定。「介護保険自己負担」は身体介護サービスを中心に試算(以下同様)。(B)は、妻が単身でサ高住に入居し、夫は自宅に残って一人暮らしをする場合のシミュレーション。利用料は19万円台まで下がるが、別居する夫の生活費は別途必要になる。
【ケース2】(A)は、娘が仕事を辞めて実家に帰り、同居をスタート、「訪問・通い・泊まり」の介護サービスを総合的に受けられる小規模多機能型居宅介護を利用した場合のシミュレーション。父本人の自宅での生活にかかる費用は、約14万円を想定。(B)は、父が介護付き有料老人ホームに入居する場合のシミュレーション。ホームは首都圏のやや高価格帯の施設を想定、入居時に前払い金3000万円が必要となる。
【ケース2】(A)は、娘が仕事を辞めて実家に帰り、同居をスタート、「訪問・通い・泊まり」の介護サービスを総合的に受けられる小規模多機能型居宅介護を利用した場合のシミュレーション。父本人の自宅での生活にかかる費用は、約14万円を想定。(B)は、父が介護付き有料老人ホームに入居する場合のシミュレーション。ホームは首都圏のやや高価格帯の施設を想定、入居時に前払い金3000万円が必要となる。

 高齢者ホームに入居となると、老後の大切なお金を使うことになる。あれこれ悩む方も多いのではないだろうか。現在発売中の週刊朝日ムック「高齢者ホーム2021」では、高齢者ホームを探している人の具体的なケースを取り上げつつ、シミュレーションをもとにその人に合った方策を専門家に解説してもらった。その中から、「夫婦は離れて暮らしていい?」「介護のために仕事を辞めていい?」をテーマにお届けする。

【シュミレーション】夫婦で入居と妻単身の場合は?

*  *  *

■ケース1:夫婦は離れて暮らしていい?

 まずは、要介護になった妻を介護する夫のケースからです。

<夫婦ともに82歳で二人暮らし。妻が転倒による骨折で要介護3の認定を受ける。自宅での介護に限界を感じた夫はサービス付き高齢者向け住宅への入居を検討。夫婦での入居も考えているが、自分は自宅にとどまる選択肢も検討中。
その後、妻は84歳で要介護4、85歳で要介護5となり、その1年後に死亡すると想定。>

 このケースについて、スターパートナーズ代表で介護コンサルタントの齋藤直路さんは、次のように話します。

「夫婦のいずれかが要介護となったことで施設入居を検討する場合、パートナーと離れて暮らすことに躊躇する人もいるでしょう。長い間連れ添ってきた夫婦ですから、高齢になってからの別居に不安を感じるのは無理もありません」

 有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の中には、夫婦での入居を想定した広めの部屋を用意して二人暮らしに対応するところもあります。
ここでは、スターパートナーズの協力を得て、東京都内の標準的な価格帯のサ高住に、夫婦で入居する場合(A)と一人で入居する場合(B)でシミュレーションしました。

 夫婦で入居する場合の二人分の月額利用料は約32万9000円であるのに対し、一人で入居する場合は19万1500円で、14万円近い差となります。
 夫婦で入居できれば、精神面でも生活面でも支え合いながら生活できます。

 ただ、その場合の月額費用は、介護保険の自己負担額を含めると35万6000円と、夫婦二人の一般的な年金額を大きく超えてしまいます。
 

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