浅田:伊藤みどりさんの影響が大きいと思いますね。特に山田満知子先生のクラブからは、恩田美栄さん、中野友加里さん、私たち、村上佳菜子さんが出てるので、上を見て頑張って追いつこうと、身近な先輩方から刺激を受けてきたこともあると思います。ほかの地域と違って、お母さんたちも一日中リンクにいて、先生のレッスンがないときはお母さんが教えてるんですね。それは横浜とか東京のリンクでは見られないことです。

林:へぇ~、すごい。名古屋のお母さん、ほんとに熱心なんですね。フィギュアスケートって、お金がものすごくかかるんでしょう?

浅田:そうなんです。貸しリンクが1時間半で5万円とかします。海外だと選手専用のリンクがあったりするんですけど、日本は一般滑走のリンクしかないので、正規料金を払って借りるしかないんですよ。選手のときは大学がリンクを貸してくださることもありましたが。

林:衣装もすごくお金がかかるんでしょう?

浅田:はい。衣装もそうだし、スケートリンクを借りるお金のほかにも、スケート靴とかスケートのエッジもすごい金額です。それに加えてコーチや振り付けの費用と、お金がかかるスポーツだと思います。本当に、家族に感謝です。

(構成/本誌・松岡かすみ 編集協力/一木俊雄)

浅田真央(あさだ・まお)/1990年、愛知県生まれ。2002年の全日本選手権で、女子世界初の3回転3連続ジャンプを決め注目を集める。10年バンクーバー五輪で銀メダルを獲得。14年ソチ五輪では、フリーで世界中が感動する演技を披露。同年3月の世界選手権では、日本人最多の3度目の優勝を飾り、ショートの演技が世界最高得点でギネス世界記録に認定される。17年4月に現役引退を発表後、スケート以外にも活動の場を広げている。現在、「浅田真央サンクスツアー」で全国を巡回中。

>>【後編/浅田真央「結婚は私の夢」 婚活に意欲、“運命的な出会い”を希望】へ続く

週刊朝日  2021年1月15日号より抜粋

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