「現役時代を振り返ってみても、2人が一緒にすごく調子がいいというときはなかなかありません。たいていはどちらか1人の調子がよければ、どちらかは調子が悪いことが多い。そんなときは無理に合わせようとせず、調子がいいほうがカバーする。だからダブルスとはいえ、1人のプレーヤーとして成長していかないといけない。私自身は『高橋礼華』という1人のプレーヤーとしても『すごいプレーヤーだね』と言われるようにやってきました」

 高橋は「誰とペアを組みたいか?」という質問の回答について、「高橋礼華のコピーと組みたいとずっと思ってきた」と明かす。自身のパートナーも含め他人に依存することなくバドミントンに熱中してきたことが、この言葉からよくわかる。

 ラケットを置いてからは、試合解説や講習会の講師などバドミントンの伝道師として充実した日々を送っている。そんな生活の中でも現役時代に見せたメンタルコントロールは健在。初めて経験する試合解説においても、自分のできることに徹しているという。

「昨年末の全日本選手権で解説をやらせてもらいましたが、私はまだ2回目。一緒にやらせていただいた大先輩の小椋(久美子)さんはうまいのは当たり前で、私は当たり前に下手くそです。そこで比べて落ち込むよりも、私の視点や感想を楽しんでくれる人もきっといるだろうから、自分が思ったことを素直に伝えればいいのかなと思ってやらせてもらいました」

「自分にしかできない」という切り口では、高橋にはいずれやってみたいと思っていることがいくつかある。そのひとつが「カフェのプロデュース」だ。

「バドミントンの大会が開催される会場の近くに飲食店がないことが多いんです。周りに何もないと試合時間が長い中でお客さんも大変ですよね。今は無観客で開催されているのでいずれになりますが、試合を見に来てくれた方のために会場内にカフェやキッチンカーを出店したい。息抜きでいる空間をプロデュースして楽しませたいですね」

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次なるステージの活躍にも期待