■西武:C

・主な新戦力

マット・ダーモディ(新外国人・投手)
吉川光夫(日本ハムからトレード・投手)
渡部健人(ドラフト1位・内野手)
若林楽人(ドラフト4位・外野手)
大曲錬(ドラフト5位・投手)
ブランドン大河(ドラフト6位・内野手)

 ドラフトでは支配下だけで大学生4人、社会人1人を指名した西武。ただどちらかというと全体的に素材型の選手で、ここでも4人の名前を挙げたが、2年目以降の戦力と考えておくのが妥当だろう。ただ意外に面白いのが5位の大曲だ。準硬式出身ながら、スピードだけでなくコントロール、変化球も高レベルで、場合によっては早い段階で一軍に抜擢されることも十分考えられるだろう。

 ドラフト以外では手薄なサウスポーを2人獲得。ダーモディは驚くようなスピードはないものの、オーソドックスなフォームでまとまりを感じるタイプ。メジャー、マイナーを通じて四死球が非常に少なく、自滅するタイプではない。メジャーでは全てリリーフでの登板だが、先発としても面白そうだ。吉川はここ数年不振だが、ストレートはまだ145キロ以上をマークし、ボールの勢い自体は衰えていない。過剰な期待はかけづらいが、左の先発が少ないチーム事情を考えると有効な補強になる可能性は十分ありそうだ。

■楽天:B

アダム・コンリー(新外国人・投手)
ブランドン・ディクソン(新外国人・内野手)
ルスネイ・カスティーヨ(新外国人・外野手)
早川隆久(ドラフト1位・投手)
高田孝一(ドラフト2位・投手)
藤井聖(ドラフト3位・投手)

 昨年のような大型補強はなかったが、ドラフトでは上位4人を大学生、社会人の投手を揃えて戦力アップを図った。特に1年目から期待が高いのがやはり1位の早川だ。最終学年のリーグ戦の成績は過去に東京六大学から1位指名で入団した選手と比べても突出しており、開幕ローテーション入りの可能性も高い。ただ、成績を残した期間が短いだけに、調子を維持できるかが大きなポイントとなりそうだ。

 外国人は投手、内野手、外野手とバランス良く一人ずつ獲得した。コンリーは大きくクロスに踏み出すフォームが特徴の変則左腕。先発、リリーフどちらもメジャーで豊富な経験があるのは心強い。ディクソンは一昨年メジャーで15本塁打を放ったパンチ力が持ち味。三振が多く確実性の低さは気になるが、内野手登録だが外野も守れるユーティリティさも魅力だ。カスティーヨはメジャーでの実績は乏しいものの、キューバから米国に亡命した時に、レッドソックスと大型契約を結んでおり、その潜在能力に対する評価は高い。日本でその才能が開花するかに注目だ。

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昨年苦しんだ日本ハム、オリックスは?