久住医師は、血中の酸素飽和度を測る「パルスオキシメーター」をすすめる。こちらは一部で品薄になっているので、50代以上の中高年や基礎疾患がある人など重症化リスクが高い場合以外は、供給が安定するまで個人での購入を控えてほしい。
「新型コロナによっておこる間質性肺炎は、自分で感じる息苦しさと実際の酸素飽和度が一致しないことがよくあります。パルスオキシメーターを使えば、自身の心肺状態をある程度正確に、そして簡単に把握できます」
酸素飽和度は一般に96%以上が正常とされ、自分で把握できると安心だ。東京都が貸し出しを始めるなど自宅療養者に貸与される地域もあるので、自治体ホームページなどで確認したい。
ほかに備蓄をすすめるのが、経口補水液と解熱剤だ。
「発熱時は思うように食事がとれず、脱水が起こりやすくなります。経口補水液は常蓄しておくといいでしょう。また、症状がつらいときは風邪薬や解熱剤を使って問題ありません」
市販されている風邪薬の多くはコロナに用いても問題ないというが、様々な成分が混じる総合風邪薬に不安を抱く人もいる。そんな人にすすめるのが、解熱剤「タイレノール」だ。
「一時、イブプロフェンという解熱成分をコロナに使ってはいけないという報道がありました。医学的な根拠はありませんが、心配な人は『タイレノール』という解熱剤を用意しておきましょう。薬局で買える市販薬ですが、アセトアミノフェンという成分だけでつくられていて、規定量ならコロナに対しても安全に使用できます」
■家族への感染防ぐには
家族と同居している場合、心配なのが家庭内での感染拡大だ。東京都の場合、判明した感染経路のうち同居者からの家庭内感染が半数近くにもなる。
都内でデザイン会社を経営する男性(58)は、1月上旬に発熱し、PCR検査で陽性と判明。自宅で療養する間に、同い年の妻に感染させてしまった。
男性はその後入院することができ、今は熱もほとんど無いが、自宅療養を続ける妻のことが気がかりだ。電話取材に、冗談交じりにこう話す。