医療体制の逼迫で入院先の調整が難航し、自宅療養を迫られる人が急増している。自宅療養に必要な備えとは。今すぐ準備してほしい。AERA 2021年2月1日号から。
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これまで経験したことがないスピードで新型コロナウイルスが感染拡大している。コロナに感染し、PCR検査で陽性と判明した場合、高齢者や呼吸器疾患等の基礎疾患があるなど重症化リスクのある人は「入院」の対象となり、軽症、無症状などと診断された人は「自宅療養」「ホテル療養」のどちらかだ。
だが、感染者の急増で医療現場はギリギリ。本来はただちに入院することが望ましい人も、入院先が確保できず自宅療養を余儀なくされるケースが増えている。全国の自宅療養者は、1月13日時点で3万人を超えた。
経験したことのない病気と闘う療養生活で、気をつけるべきポイントは何か。
『新型コロナ自宅療養完全マニュアル』(監修・小林弘幸、鳥居明/発行・実業之日本社)の著書がある、白鴎大学の岡田晴恵教授(感染免疫学)は「備え」の大切さを強調する。
「市中感染も広がり、いつ何どき、誰が感染してもおかしくない状況です。しかし、病床が逼迫して入院できずに自宅やホテルで療養するしかないのであれば、一人一人が気をつけるしかありません。そのために必要なのが『備え』です」
岡田教授と、感染症に詳しい内科医でナビタスクリニック理事長の久住英二医師に対策を聞いていこう。まず、岡田教授は言う。
「必ず必要なのが食料です。食欲がなくても食べられ必要なカロリーが摂取できるレトルトのスープやおかゆ、ゼリー状栄養補助食品などもあったらいいでしょう。また、普段使用している総合風邪薬や、1日1人最低2リットルを推定した水、ティッシュペーパーやトイレットペーパーなども大切です。自宅療養の期間は、発症から10日が経過して、かつ症状軽快から72時間の経過が必要となります。2週間分ほど備えてください」