最初のころは「プレーが遅い」「生意気だ」なんてたたかれたりしてましたけど、僕はそんな彼がずっと好きだったんですよね。ケビンは「マツヤマはすごいな。何ですぐに5勝もできたんだ?」って言ってましたけど、これで追いつきました。「こんなにドライバーが飛ぶようになったら、もうダメだ。40歳まで頑張って、やめるよ」なんて言ってた時期もありましたけどね。今度会ったときには「マツヤマに追いついたじゃん!」って言ってやろうと思います。

 その松山英樹(28)は最終日に少し順位を落として19位でした。立派だと思いますよ。ダメだダメだと言いながら(ハーフで)28を出したり、イーグルを連日出したり。ああやって試合の中で上向いていく姿勢は素晴らしいといつも思ってます。

 どうしても一番いい結果を求められちゃいますけどね。もしそれがダメでも、こうやって上位で戦えてるのがすごい。これを一生やり続けるだけでも、あっぱれですよ。

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表ヘッドコーチを務める。19年9月、シニアデビューした。

週刊朝日  2021年2月5日号

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