3月27日長野の刑務所に服役していた堀江貴文元ライブドア社長が仮出所した。同日朝8時すぎ、彼からの電話で起こされたジャーナリストの田原総一朗氏は、会って1時間半以上話したという。

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 堀江氏は刑務所で体重を約30キロ落とし、いかにも健康そうで、見違えるほどハンサムになっていた。これからどんな事業をやるのかと問うた。

「1~2年後には衛星軌道に打ち上げられるロケットを完成させます」
「刑務所の中でも続けていた、メルマガをやります」

 だが、私はいささか期待はずれの感じがした。これまでプロ野球の近鉄やフジテレビの買収、総選挙出馬と、日本中を驚かせ続けた堀江氏にしては平凡すぎる。そこで、そのことを率直に堀江氏にぶつけた。以前ならば怒ったはずだが、怒らず、しかし語調を強めて話しだした。

「これまでは新聞、雑誌、書籍など、メディアは紙媒体中心でした。企業や役所の書類や手紙など、僕たちは、紙媒体に取り巻かれていた。それを変えようと思っています」

 刑務所には携帯電話もパソコンも持ち込めない。堀江氏はやむなく原稿を紙に書き、切手を貼って手紙の形で編集者に送っていた。その人物がメールにし、会員に流していたのだ。それが何とも面倒で、紙媒体の無駄さを身にしみて感じたという。

「新聞は半分近く広告でしょう。紙媒体は金がかかるので、広告で埋めないとやっていけない。読者には余計なものです。さらに記事の半分近くは発表報道。アメリカなら人件費の安い通信社が受け持つことを、日本では給料の高い新聞記者がやっている。しかもその発表記事が長すぎて、読者は読みたくない。僕は400字くらいで十分だと思う。はるかに安くて便利なネット媒体で、100万人、いや500万人以上の会員が見る雑誌、新聞にあたるものをつくります。革命を起こすのです」

 これは非常におもしろい。まさに革命的で、紙媒体にとっては、尋常ならぬ戦闘宣言である。

週刊朝日 2013年4月19日号