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42歳での電撃結婚。そして伝説の高齢出産から3年。母として、女優として、ますますパワーアップした水野美紀さんの連載「子育て女優の繁忙記『続・余力ゼロで生きてます』」。今回は、我が子の突然の「犬がえり」に戸惑う水野さんをお届けします。
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「赤ちゃんがえり」というのは聞いたことがあるが、うちの3歳児は今、「犬がえり」している。
赤ちゃん返りは、下の子が産まれた時に上の子がかまってほしくて赤ちゃんのように親に甘えることを言うが、うちの子は一人っ子。
だがしかし、夫の実家のシュナウザー「ポーちゃん」と会って以来、何を思ったか、たびたび犬になる。
「わんわん、わんわん」
と言いながら、家の中でも、時には外でも四つん這いで歩き出す。
ご飯のお皿を床に置くようにせがむ。
私が一生懸命、
「人間になれっ、人間にもどれっ、えいっ!」
と魔法をかけて、テーブルにつかせても、
「ママたべさせて」
と甘える。「自分で食べなさい」と言っても、
「だっって犬だから食べられないよー」
「犬だって自分でたべます」
「ちがうよー! いぬはテテ使わないでそ」
それはそうなのだが、こちらも知恵を使って説得しなければならない。
「お手手使って食べる犬もいます」
「いないでそ!」
頭の中で、手で食べる犬のアニメキャラなどを見つけようとぐるぐる考える。
「しまじろうだって手で食べるでしょ?」
しまじろうはトラだ。思いつかなかったからこれで押す!
「だって、だって、しまじろうは犬じゃないもん!」
「そう、しまじろうはトラだけどお手手で食べるでしょ? 犬もしまじろうも一緒です」
我ながらひどい。こんな説得しかできない自分に泣けてくる。
「ふーん、そっか」
納得した!? え、今ので納得してくれたの?
よかった。無事、手を使って食べ始めた。
しかし我が子の犬化は止まらない。
ある日、パパと商店街にお買い物に行ったちびすけ。帰宅したパパがリビングにドン、と置いた買い物袋の中に衝撃の「ブツ」が。食材やペットボトルに混じって買い物袋に入っていたもの、それは、犬用ビスケット。