2021年 2月26日公開の映画『あのこは貴族』に出演の門脇麦と水原希子が、異なる階層で生きるまったく違うタイプの女性を演じた。2021年2月15日号では、同世代の女優二人が解放、共存、ケセラセラ……互いについて、そんな言葉で率直に語り合った。
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映画「あのこは貴族」は、異なる階層で生きる女性たちを描いた物語だ。門脇麦さん(28)演じる華子は東京生まれ。「結婚=しあわせ」と信じ、家事手伝いをしながらお見合いをするお嬢様。一方、水原希子さん(30)演じる美紀は地方出身。猛勉強の末に慶應大学に入学したものの学費が払えずに中退し、必死に働いて生きている。
門脇麦(以下、門脇):配役だけを聞いた人から「二人の役、逆なんじゃない?」って言われたよね。
水原希子(以下、水原):そう! よく言われた。
門脇:私は美紀が希子ちゃんと聞いて、「ピッタリだな」と思った。自分の足で立って、確実に実感を持って生きてきた人だと思っていたから。それでも最初に会うシーンで、あまりにも私のイメージする“カッコいい希子ちゃん”じゃなくて“美紀”だったから、びっくりした。
水原:うれしい~! 私は地方出身だし、美紀に共感できる部分がすごく多かったんだよね。
華子はお見合いで幸一郎(高良健吾)と出会い結婚を決める。だが、幸一郎は美紀の大学時代の同級生であり、深い関係でもあった。共通の知人のはからいで華子と美紀は出会い、互いの幸一郎との関係を知る。
水原:美紀と会って華子がすぐに封筒を取り出すじゃない? 一瞬、「なに? 手切れ金?」と思うと「おひなさま展のチケット」って。麦ちゃんのあの表現に「うっ」となった。
門脇:私、あれはお金を渡すより残酷なシーンだと思っていて。それをなんの“邪”もなく渡せるのが華子という人だと思った。「ふわっ」と生きている人間の残酷さというか。華子を少しつかめたかもしれないと思えた大切なシーンでした。