写真部・掛祥葉子
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AERA 2021年2月22日号より
AERA 2021年2月22日号より

 在宅勤務の悩みの一つである食事問題。何を食べるかを意識しがちだが、実はいつどのように食べるかが大事だと専門家は指摘する。体調改善、メンタルを安定、仕事効率アップも叶う食べ方とは。「最強の在宅メシ」を特集したAERA 2021年2月22日号から、体内時計を整える「在宅メシ5カ条」を公開する。

【これで完璧!体内時計を整えてスッキリ 在宅メシ5カ条はこちら】

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 まだまだ続くテレワーク。太った。気分転換ができずイライラする。集中できない。常にだるい。昼間眠いのに夜は眠れない。体調管理がうまくいかない。そもそも3食作るのが面倒で、おなかが空くと「また食事かぁ」と憂鬱な気分に。でも市販のものばかりじゃ栄養が偏るし、お金もかかる……。

 多くの人が抱えるそんな悩みを一気に解決する「最強の在宅メシ」はあるのか。あるとしたら一体どんなものなのか。アエラはその答えを探して、一人の達人にたどり着いた。「食コンディショニング」を提唱する管理栄養士の小島美和子さんだ。

「テレワーク中の食事は『何を食べるか』に気が向きがちですが、実は『いつ、どうやって食べるか』を考えることが最も大事なんですよ」

 そう話す小島さんは体が出すサインと食事、そして「体内時計」という三つの要素をかけ合わせた独自のメソッドを開発。これまで体調管理に悩む1万人以上の食生活を改善してきた。

■「時間栄養学」に基づく

 体内時計は人間がどんな食べ物を、いつ食べるかによって栄養摂取の効果が変わるという概念で、「時間栄養学」という学問として研究されている。

 地球上の生き物は体内に時を刻む機能(時間遺伝子)を持っており、老化や健康にも関わる。それを見つけた3人の米国人科学者が2017年にノーベル生理学・医学賞を受賞した。小島さんの食コンディショニングプログラムは、この時間栄養学をベースに考案されたものだ。

 地球が24時間かけて自転するのに合わせ、人間も時間ごとに体内の温度や血圧、ホルモン分泌量を変化させているという考え方で、自分の体内時計に合わせた食べ方をすることで体が“覚醒”し、体調が改善される。メンタルを安定させる効果もあるため仕事のパフォーマンスもアップ。食事の量を減らさなくても基礎代謝が上がるのでメタボ体質も撃退できるという。

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