Jリーグのシーズン開幕まで残りわずか。コロナ禍での調整、対策、影響を受けながらも、J1は2月26日の開幕から12月4日の最終節まで長丁場の熾烈な戦いが続く。昨季はシーズン中断の後の過密日程の中、川崎が圧倒的な強さを見せてJリーグ史上最速優勝を達成。迎える今季、「ストップ・ザ・川崎」のチームは現れるのか。4チーム自動降格という残留争いはどうなるのか。J1全クラブのオフシーズンの選手補強を査定(良い方からA・B・C・D・Eの五段階)し、3日間にわけて紹介する。今回は神戸、広島、徳島、福岡、鳥栖、大分の6チーム。
■神戸「C」
昨季14位からの巻き返しを図るための戦力補強。その目玉は20歳のFWリンコン(←フラメンゴ)だ。16歳の時に名門フラメンゴでトップデビューを果たし、U-17、 U-20のブラジル代表にも名を連ねた新鋭アタッカー。体格的にも恵まれており、そのスピードは驚異的。欧州からも熱視線を送られていた男を獲得し、新たな攻撃の柱とするつもりだ。その他では、パスワークに優れた23歳の才能豊かなMF井上潮音(←東京V)の獲得が大きく、右SBとしてDF櫻内渚(←磐田)、高卒新人のMF櫻井辰徳(←前橋育英高)を獲得し、DF小林友希(←横浜FC)、MF増山朝陽(←福岡)をレンタルバックさせた。
この面々が昨季のチームにそのまま加わっていれば大きな期待を持てただろうが、痛恨だったのが、不動の右SBとして働いていた西大伍の流出だ。2年間に渡って最終ラインで存在感を見せていたDFダンクレーも退団し、FW小川慶治朗、DF渡部博文のバックアッパーも放出。潤沢な資金を持つクラブとしては、物足りない補強だったと言える。目玉のリンコンに関しても、20歳という“若さ”がそのまま“脆さ”となる危険性もある。続投となった三浦淳寛監督の手腕も含めて、期待と不安が入り混じっている。