「渋谷教育学園幕張は、首都圏における共学校の最難関校です。実力がついたかどうかを測る分水嶺になっており、例年遠方からも受験生が来ていました。今年はコロナ禍で遠方からの受験生たちはいなくなりましたが、地元の受験生は減っていません。見た目の志願者数が減っているだけで、難度が下がったわけではないといえるでしょう」(広野さん)
埼玉のトップ校の栄東(さいたま市)は1万487人から1万240人に減少したものの、志願者は例年通りの1万人超え。浦和明の星女子(さいたま市)は2511人から2323人に減少。めきめきと実力を伸ばしてきた開智(さいたま市)と大宮開成(さいたま市)も、わずかながら減少した。
安田教育研究所代表の安田理さんは、難関校の志願者減少について、次のように話している。
「中学入試に限らず、大学、高校入試でも同じような現象が起こっています。受験が全体的に安全志向になっており、日本の若者にチャレンジ精神がなくなっているようで、ちょっと心配です。今年はもちろんコロナの影響が大きいですが、“失敗を怖がる”心理が強くなっているので、来年も安全志向は続きそうです」
(文/柿崎明子)