好成績だったのは、またも東京。体力が大きいため1.5%と低かった。続いて島根の6.3%、岐阜の6.6%といった順だ。

 これに対し、比率が最も高かったのは北海道で20.7%。18%を上回り、起債するには国の許可が必要となる。次いで新潟の16.6%、岩手と大阪はいずれも15.3%だった。

 さらに、「将来負担比率」は将来にわたる借金の重さがわかる指標だ。財政規模に対する借金残高の比率を示し、数値が大きいほど返済負担が重いことを意味する。「400%を超えると『早期健全化団体』に指定されかねない」(同)

 最も数値が低かったのは東京の23.6%で、沖縄の42.6%、栃木の103.4%と続く。

 最も数値が高く、将来の返済が重かったのが兵庫(338.8%)で、北海道(326.9%)、新潟(326.7%)とともに300%を上回り、“黄色信号”がともりつつある危うい水準だ。

 冒頭にも出てきた「財政調整基金」はいわば、自治体の貯金。財源に余裕がある年に積み立て、不足する年に取り崩すことで、財源を調整するのに使われる。「使い道が限定されておらず、財政の危機管理的な資金の性格を持つ」(同)。自治体独自の政策の財源にしやすく、新型コロナの“次の波”や、大きな自然災害が起きた場合の経済対策など、非常時の備えになる。

 東京の9345億円、大阪の1562億円、愛知の954億円など、もともと財政規模が大きい自治体が上位を占めた。下位は、京都の2千万円、本の17億6千万円、富山の29億2千万円など。(本誌・池田正史)

週刊朝日  2021年3月19日号より抜粋

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