一連の騒動について、改めて北海道アイヌ協会に見解を聞くと、担当者がこう回答した。
「問題は無知が招いたのではなく、丁寧さや配慮、感性が働かなかったことにあるのではないでしょうか。日本テレビさんは会社の憲章として、基本的人権を尊重するのだということを表明していますが、大事なのは、機能しているのかどうかです」
協会は今後の日本テレビの対応をみてから、改めて会合の機会を設けるという。
また担当者は、次のような切実な言葉も残した。
「北海道以外の地域で、アイヌについてどれほど教育を受けてきたでしょうか。学ぶ機会が無ければ、個人旅行でウポポイ(民族共生象徴空間)を訪れるなどして、自主的に学ぶしかない。より多くの人たちに、アイヌ文化を知っていただく機会が増えていくことを望んでいます」
教育を受ける機会を拡充することはもちろん、我々が歴史を知ろうとする姿勢がもっと大事なのは言うまでもない。(取材・文=AERA dot.編集部・飯塚大和)