まだ彼らほどの実績はないが、今後を見据えた際に楽しみなのが、今季から浦和を指揮するリカルド・ロドリゲス監督だ。1974年4月3日生まれ、46歳のスペイン人指揮官。24歳で指導者となり、タイでの計3年間の監督生活を経て2017年に当時J2だった徳島の監督に就任すると、日々の練習から論理的なチーム作りを推し進め、試合では前線から連動した攻撃的な全員サッカーを展開。

 毎年、多くの選手が入れ替わる中でも自らの信念を貫き、2020年にはJ2優勝を成し遂げた。今季から指揮を取る浦和での成績次第で、彼に対する評価が大きく変わることになるだろうが、知的な物言い、監督としての胆力、何より新しいものを作り上げる野心に溢れている。まだ年齢も46歳と若い。すでに指導を受けた選手からの評価は高く、このまま日本でキャリアを積む中で結果を残して行けば、その先の代表監督就任への期待も高まる。

 その他、今季が鹿島2年目となるブラジル人のザーゴ監督、2014年に来日してFC東京、鳥栖を経て2019年のシーズン途中から名古屋の指揮を執るイタリア人のフィッカデンティ監督の2人も、今後の働き次第で候補リストに名前が挙がってくる可能性がある。

 あとは、どれだけ日本を愛し、日本サッカーに対して情熱を注ぎ込んでくれるか。常にアップデートされている世界のサッカーに島国・日本が追い付くためには、いつの時代も“開国”は必要であり、そのための外国人監督は、やはり有効な手段の一つになる。強い意思と日本への理解を持つJリーグの外国人監督ならば、「ジャパンズウェイ」をさらに進化、発展させることも可能なはずだ。