限韓令と新型コロナ感染症などで見せた中国の対応に嫌気がさした若い世代が主導する反中キャンペーンが多くの国民に支持されているという分析も出ている。
与党が中国人有権者にまで支持を訴えているのは、それだけ今回の韓国2大都市の首長補欠選で苦境に立たされていることを物語っている。
来春の大統領選までに支持率を挽回したい文大統領の秘策は、なんと7月の東京五輪にあるという。
日・米・南・北4カ国首脳会同を実現させた上で、選手団の南北単一チームと南北選手団の合同入場などを文大統領は構想しているという。その後、米朝首脳会談と南北会談まで実現させ、3年前の板門店会談、平壌南北会談のような「春の日」を再現しようとしているのだ。
文政権はさらに来年2月の「北京冬季五輪」の際も同様に首脳会談を駆使し、平和ムードを造成して来年3月の韓国大統領選挙での政権継続に命運をかけているという。
文政権は18年2月の平昌冬季五輪で、「女子アイスホッケー南北合同チームを」を作って、南北平和ムードをアピールし、北朝鮮は金正恩(キム・ジョンウン)委員長の妹、金与正(キム・ヨジョン)特使を派遣した。この五輪を契機に、北朝鮮は長距離ミサイルなどの実験を中止。平昌五輪の2か月後、板門店南北会談が開催され、同年6月にはシンガポールで史上初のトランプ前大統領と金正恩委員長の米朝首脳会談が実現された。
東京五輪開催はコロナ感染拡大でまだ不明なものの、文政権は「平昌の春の日」を東京五輪で再度、実現したいというのだ。
ところが、まだ実際に南北合同チームを構成するために、南北関係者の話し合いが行われた様子はない。北朝鮮の金正恩委員長が特使として妹の金与正氏を日本に派遣するか、否かも不透明だ。
北朝鮮は文政権の「南北チーム」構成や、五輪開会式に南北の選手団が合同で入場して世界に南北平和をアピールしたい意図について理解している。だが、文政権の足元を見透かして、北朝鮮がこうした要請に応じる可能性は極めて低い。