金与正氏は3月16日、韓米合同軍事演習を問題視して「3年前の暖かい春の日は戻ってくることが容易ではないだろう」「任期末期に入った南朝鮮(韓国)当局の前途は非常に苦しく、楽ではないだろう」と、文政権を批判した。
そして5日後の3月21日、北朝鮮が西海(黄海)上に短距離巡航ミサイル2発を発射した。米国の ジョー・バイデン政府発足61日目にして初の武力デモをしたのである。
だが、韓国の合同参謀本部は、ミサイル発射状況をリアルタイムで確認したにもかかわらず、これを公開せず黙殺した。3月24日に米メディアの報道が出た後、ミサイル発射をしぶしぶと認めた。
「米政府が非公開情報をメディアに流す意図的リーク」と専門家たちは指摘し、米政府が迂回的に情報を公開したというのだ。
続いて北朝鮮は同25日、咸鏡南道咸州一帯から短距離ミサイル2発を発射した。しかし、韓国の合同参謀本部関係者は同日、最初はミサイルを「短距離発射体」と呼んだ。その後、発射4時間が過ぎた時点でミサイルであることを認めて飛行距離と高度を遅れて公開し、批判を受けた。日本より4時間も遅れの発表だった。
「文政権はこれまで一貫して北朝鮮の挑発を縮小して発表したり、弁護してきた。何があっても金正恩政権の気分を害さないように努力している。文政権は北朝鮮に対しては一貫して低姿勢だが、同盟国の米国に対しては非協力的だ。北朝鮮の核ミサイルを阻止する在韓米軍の高度防衛ミサイル(サード)基地の正常運用にも協力していない。最近、オースティン米国防長官が訪韓した際、『サード基地を今のように放置するつもりか。同盟として受け入れられないことだ』と強く抗議した。慶尚北道星州のサード基地では、デモ隊の阻止で駐留地(駐屯地)の工事も4年間できず、韓米の将兵がコンテナなどで温水と暖房もなく生活している。これは中国を慮った意図的な行動だ」(韓国政府関係者)