ここにきて、文政権の「コンクリート(一枚岩)支持層」といわれていた20代の離脱傾向が尋常ではない。ソウル市長補欠選挙関連の各種世論調査を見ると、20代で野党候補の支持が目立っている。
世論調査会社リアルメーターが、ソウル市長選でどの候補に投票するかを聞いた結果、20代(満18歳~29歳)では最大野党の「国民の力」呉世勲(オ・セフン)候補が60.1%で、与党「共に民主党」の朴映宣(パク・ヨンソン)候補が21.1%と3倍近くリードした。
このような世論の流れに危機感を感じた与党は26日、永住権を持つ中国人にまで地方選挙の投票権があるという事実を強調し、朴映宣候補への支持を訴えた。外国人は大統領選挙と国会議員選挙では投票権を持っていない。しかし、地方選挙では永住資格を取得して3年が過ぎた登録外国人に限って投票権を行使できる。
与党が中国人の票を当て込むのは、地方選挙の投票権を持っている外国人の多くが中国人だからだ。昨年12月時点でソウル市に登録された外国人24万人のうち、韓国系中国人(朝鮮族)は約9万人で、これらを除いた中国人は約5万人。ソウル市に登録した外国人の半分以上が中国国籍者であるわけだ。このうち永住資格を持ち、投票権を持っている外国人は約4万5000人で大多数が中国人とされる。
与党は中国人たちの支持と投票を期待しているが、皮肉にも韓国では最近、反中国感情が広がっている。
中国の有名なYouTuberが「韓服は中国の伝統衣服であるハンプの影響を受けている」「キムチも中国から輸入された」などと主張した。
韓国古代史を自国の歴史の一部と歪曲した中国の東北工程(中国東北部の歴史研究を目的とする国家プロジェクト)、韓国のサード配置後に始まった中国の限韓令(韓流の規制)などを経験した韓国民は「中国が巨大市場と資本を前面に出し、Kコンテンツ全般に“文化の東北工程”を繰り広げている」と反感を強めているのだ。