中盤の選手では、荒木遼太郎(鹿島)が進境著しい。2002年1月29日生まれの19歳。東福岡高から入団1年目の昨シーズンはリーグ戦26試合(2得点)に出場するなど、いきなり名門で存在感を示した。今季も開幕戦で途中出場してゴールを決めると、続く湘南戦では2得点、さらに広島戦でもゴールネットを揺らして3試合連続ゴールと、早くも“違い”を見せている。左のオフェンシブMFの位置から積極果敢にゴールに迫り、持ち前のアジリティに加えて、ゴールへの嗅覚も抜群。元々、ライン間でボールを受けてから反転しての仕掛けが持ち味だったが、ここに得点力が加われば選手として“ひと皮むける”ことができる。新外国人の来日が遅れている間に、このままゴールに絡む活躍を続けられれば、飛び級での五輪代表入りの可能性も出てくる。

 その荒木と同学年のMFとして、松岡大起(鳥栖)の名前が挙がる。2001年6月1日生まれの19歳。高校3年時のトップ昇格から3年目の今季、開幕6試合を終えて4勝2分けの3位と序盤のサプライズとなっているチームの副キャプテンを務め、3-5-2システムの中盤のアンカーとして存在感を発揮。サイズには恵まれていないが、豊富な運動力と優れたボール奪取能力で「潰し屋」となり、Jリーグのトラッキングデータの1試合の走行距離トップ20に、最多の3度ランクイン(3位、12位、13位)。中盤のダイナモとして「和製カンテ」になれる可能性を持つ。現時点で彼よりも技術的に上の選手はいるだろうが、高い向上心と強いメンタリティは今後の成長を後押しするはずだ。

 もう一人、今季がJ1初挑戦となる藤田譲瑠チマ(徳島)も絶賛成長中。2002年2月16日生まれの19歳。松岡と同じ運動量豊富なボランチで身長172センチとサイズ的にも同じだが、ナイジェリア人の父から譲り受けた独特の体のしなやかさを持ち、優れた状況判断とプレービジョンで自分のプレーをピッチ上でしっかりと表現できる。

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