水族館で見られる確率が低いマンボウの行動として、糞、閉眼、後進遊泳、加速、上向き、ジャンプなどが挙げられる。この中でもジャンプは相当運が良くなければ見ることができず、私も数回しか見たことがない。驚くべきことに、最終日のマンボウはこれらすべての行動を私達に見せてくれた。
何があったのかはわからないが、1個体のマンボウが急に加速し始め、まず最初に一回ジャンプ。惜しくもこの瞬間は撮り逃してしまった。その後、数十秒クールダウンした後、再び加速して他の個体に激突、激突された個体はビックリして加速してその場から逃げた。暴れるマンボウは他の個体に激突するも加速を止めず二回目のジャンプ。二回目のクールダウン後、再び加速して水槽の壁にぶつかり、ようやく大人しくなった。この動画はすごく貴重なので大きくコピーライトを入れているが、youtubeにアップしているので、興味ある方は下記URLを打ち込んで見て欲しい。また、この日のレンタル博士の詳細な内容もnoteで公開しているので、下記参考文献のタイトルをググって見て欲しい。
依頼者はマンボウの面白い話を聞けて、珍しい行動も見れて大満足だった。数少ないマンボウを飼育する水族館が減ってしまうのはとても残念なことだが、この日の志摩マリンランドを記憶と記録に深く刻み込んだ。51年間ありがとう!
【主な参考文献】
ウシマンボウ博士.2021.レンタル博士されてみた話 クエスト5.note.2021年4月3日掲載.
志摩マリンランド最終日で撮影できたマンボウのジャンプ【もう二度と撮れない超貴重動画】https://www.youtube.com/watch?v=phtaUN0w05M (2021年3月31日撮影).
●澤井悦郎(さわい・えつろう)/1985年生まれ。2019年度日本魚類学会論文賞受賞。著書に『マンボウのひみつ』(岩波ジュニア新書)、『マンボウは上を向いてねむるのか』(ポプラ社)。広島大学で博士号取得後も「マンボウなんでも博物館」 というサークル名で個人的に同人活動・研究調査を継続中。Twitter (@manboumuseum)やyoutube で情報発信・収集しつつ、無職で自分に合った仕事を探しながらもなんとかマンボウ研究して生きていくためにファンサイト「ウシマンボウ博士の秘密基地」 で個人や企業からの支援を急募している。