ikura:はい。最近も曲を出させてもらって、並行して頑張ってます。Ayaseさんはボーカロイドプロデューサーとして、私はシンガー・ソングライターとしての顔を持ちつつYOASOBIをやっているので、どちらの活動もぜひ楽しみにしていただきたいと思います。

林:このあいだ、オンラインライブをやったら、これもまた記録的な数字になったみたいですね。

Ayase:初のライブとして4万人以上の方が見に来てくれました。今まで僕らが出してきたものは基本的に無料で手に取れるものが多かったんです。ユーチューブに公開するのもそうですし、配信されている音源を聴くのも、月額制で登録すればどんな音楽でも聴けるので、YOASOBIに対してお金を払うという経験がなかったんです。オンライン配信は、有料でチケットを販売してどれだけの人がライブを見に来てくれるのかという不安と興味がありましたが、一ついい結果が出せたなと思っています。

林:お金の話をして恐縮ですけど、再生回数が天文学的な数字になると、お二人の収入も相当なものに……。

Ayase:そこはそれほどでもないんです。でも、給料ははるかにアップしました(笑)。ただ、めちゃくちゃぶっちゃけて言うと、「意外とこんなもんなんだ」と思いました。

林:だって再生回数が4億でしょう。これがCDで4億枚だったら、スタジオ付きの豪邸を……。

Ayase:という話になってきますよね。配信の音楽の世界だと、いろんな要素が絡んでいて、もっと複雑なんです。僕もいまだに完璧には理解できてないぐらいです。

林:Ayaseさんがわからないなら、私なんか絶対わからない世界ですよ。

(構成/本誌・松岡かすみ 編集協力/一木俊雄)

YOASOBI/コンポーザーのAyaseとボーカルのikuraによる2人組の音楽ユニット。小説・イラスト投稿サイト「monogatary.com」に投稿された小説を音楽にするプロジェクトから2019年に誕生。星野舞夜の小説「タナトスの誘惑」を原作としたデビューシングル「夜に駆ける」がストリーミング再生回数4億回を突破、Billboard Japan 総合ソングチャート“HOT100”2020年年間チャート1位をはじめ、配信チャートを席巻。最新CD「怪物/優しい彗星」が好評発売中。

週刊朝日  2021年4月16日号より抜粋

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