――そもそも、なぜグラビアが好きなんですか?

いろんな理由はありますが、服を脱いで撮影をしていると、自分の体や心に染み付いた穢れというか、しがらみというようなものがそぎ落とされていく感覚を味わえるんです。学歴も異性も、これまでの人生も。それがたまらなく好きです。

――ヘアヌードを決意したのも、そうした理由からでしょうか?

初めはヘアヌードをやるつもりはありませんでした。ただ自己陶酔の世界ではありますが、篠山さんに撮影していただいたときの解放感は、しだいに自分が素のままの人間として生きていけたり、これまでの自分から脱皮できたり、そういった自信にまで昇華していったんです。そして、いまではグラビアだけでなく表現者として生きていきたいという確固たる気持ちが芽生えています。その表現者という枠の中にヘアヌードだったり、5月から撮影が始まる映画だったり、そういった新しい活動も含まれているという感覚です。

――さきほど「父親と仲が良い」という話がありました。ヘアヌードになったことも相談されたんですか?

ヘアヌード写真集を出したことに後悔はありませんが、そこに至るまでには悩み続ける時間がありました。今後のことや周囲のこと、表現者として何ができるのかなど、いろいろ悩んで、結果的にヘアヌードになることについては決心がつきました。でも親にはまだ言えていません。自信をもって、自分の決意のもとに写真集を出しましたが、親の気持ちを考えると、「やっぱり嫌だよね」「でも自分はやりたい」その自問自答をいまでも繰り返しています。

――いずれ、ご自身の口から伝えるつもりでしょうか?

なんというか、セリフが出てこないんです。なんて伝えればいいのか。それがはっきりとしない状況では伝えられないと思っています。それでも写真集をだしたのは、成人した一人の女性として、自分がやりたいことと親の気持ちを考えて、親を優先する決断は「違うな」と思ったからです。親の気持ちを考えて、自分の人生にブレーキをかけるという生き方は私にはできません。いずれ気持ちが整ったときに親には伝えるつもりです。表現者として、その場面をみなさんにお伝えしたいとも思っています。YouTubeチャンネルで動画を配信しているので、そのときの状況によっては、ありのままの様子をお見せするかもしれません。グラビアアイドルとしてはヘアヌードになったことで、プレミア感がなくなってしまったという面もあります。ですから、ここからが本当の勝負だと考えています。

(AERA dot.編集部)

■プロフィール
まちやま・みほ/1998年6月生まれ。東京都出身。グラビアアイドル。慶應義塾大学4年生。2019年、篠山紀信撮影のグラビアでデビュー。2021年3月10日に初の写真集『Scarlet』が発売された。

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